高齢者の入浴介助を安全かつスムーズに行うためにも、あらかじめ準備しておくとよいものが数点ある。まず、入浴に必ず必要なバスタオルと着替えの2点は忘れずに準備しておかなければならない。バスタオルは大きくてできるだけ吸水力の高いものを選ぶと、より入浴介助がスムーズに行える。身体を拭く時間を短縮できるため、裸で過ごす時間が短くなり、高齢者の身体にかかる負担も軽減できる。
着替えは必ず、入浴後すぐに手の届く場所に置くようにする。おむつや尿取りパッドを着用している場合は、衣服と一緒に替えの準備も必要だ。身体を洗うためのスポンジやボディタオル、石鹸も、あらかじめの準備が必須である。ボディタオルやスポンジは、やわらかい素材のもので肌触りが良いものを選ぶ必要がある。高齢者の肌は薄く敏感な方も多く、また肌疾患を持つ場合もあるので、身体を洗う際はより注意が必要になる。ボディソープや石鹸は、短時間で泡立てられるものを選ぶことで、入浴介助時間をより短縮できる。
肌疾患を持つ高齢者で、保湿剤や塗布薬が処方されている場合は忘れずに脱衣所に持ち込んでおくようにしよう。衣服を着用した後に気づくと手間がかかると同時に、再度脱衣を行う高齢者への負担も大きくなるためだ。入浴介助を行う側の準備も必要である。水をはじく素材でできたエプロン、ゴム製の滑りにくい靴など、入浴介助を行いやすい衣服を着用しておくこと、また必要であれば入浴介助ベルトの着用など、動きやすく介助を行いやすい恰好を心がけよう。事前準備を含めて、高齢者の入浴介助のコツをまとめたサイト:『高齢者の入浴~安心&安全な介護のコツ~』